気候変動や環境問題のために「何かしたい」と考える人のためのアクションガイドです。第5回は、気候変動や気候危機についてまだよく知らない人や大切な人に知ってもらい、​​実際にアクションを起こす人たちを増やすためにできることを紹介します。

記録的な暑さや豪雨による洪水。温暖化が進むにつれて、極端な気象が増え、その影響は私たちの暮らしや社会にも広がっています。

「気候危機をとめるために何かしたい」という気持ちがあっても、「何から始めたらいいんだろう?」と立ち止まってしまう方も多いのではないでしょうか。

このアクションガイドは、気候変動や環境問題のために「何かしたい」と考える人のためのシリーズです。全6回でテーマごとに情報をわかりやすくまとめています。第5回は、気候変動や気候危機についてまだよく知らない人や大切な人に知ってもらい、​​実際にアクションを起こす人たちを増やすためにできることを紹介します。

▶︎今すぐできる最も力強い気候アクションについて知る

「気候変動」なぜ伝えることが重要なのか

日本では、「なぜ気候変動が起きているのか」というとても大切なことがあまりよく知られていません。内閣府による世論調査によると、「地球温暖化が人間の活動によって引き起こされていると科学的に断定されたこと(IPCC第6次評価報告書)」を知っている人は約3人に一人にとどまりました。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による2022年の記者会見
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による2022年の記者会見。©IPCC | Photo by Mark Speight

原因がはっきりわからないものを止めることは難しいでしょう。しかし、近年の急激な気温上昇の主な原因が、化石燃料の燃焼をはじめとする人間の活動であることは、科学的に疑う余地がないことがすでにわかっています。つまり、気候変動を引き起こしているのも人間なら、その加速を止められるのも人間です。

まずは自分たちにできることがたくさんあると知ることが第一歩になります。そして、この事実を知る人がひとりでも増えれば、社会の変化はそれだけ大きくなります。まわりに伝える行動は、仲間をつくる確かなアクションです。

まわりの人と話してみよう

まずは気候変動や気候危機について家族や親しい友だちと話してみましょう。

まわりの人と話すイメージ

もしかすると、「意外とハードルが高い」と感じる人もいるかもしれません。しかし日本では、地球温暖化や気候変動が引き起こす問題に「関心がある」と答えた人が91.5パーセントにのぼります(内閣府による世論調査)。​​地球温暖化や気候変動が、ほとんどの人にとって関心のあるテーマであることがわかります。

日常生活の中で気候変動の影響を感じることは「夏の暑さ(95.0%)」、「雨の降り方の激しさ(76.9%)」、「洪水などによる気象災害の増加・激甚化(74.8%)」、「熱中症患者の増加(62.6%)」、「農作物の旬の時期の変化、品質の低下(60.0%)」などが上位を占めました。

  • 季節や気候:「どんどん暑くなっているよね」、「ゲリラ豪雨が増えた」
  • 食べものへの影響:「今年はサンマがあまり獲れないらしい」、「お米の不作は温暖化の影響が大きいみたい」
  • 自分が感じていること:「子どもたちの世代が心配」、「自分にできることがないか考えている」
  • 相手がどう感じているか:「不安を感じていたりしないか」、「ニュースを見ていると心配にならない?」

身近な話題から話をして、相手がどんなふうに感じているかを知ることができると嬉しいですね。その他にも、マイバッグやタンブラー、水筒、古着などの自分なりのアクションが会話の種になることもあるかもしれません。

SNSでシェアや発信をしてみよう

気候変動について「多くの人に知ってもらいたい」と思った情報があれば、SNSでシェアしたり発信したりしてみましょう。

SNSでシェアや発信のイメージ

X、Bluesky、Facebook、Instagramなど、自分が使いやすいSNSサービスで大丈夫。あなたの投稿が、誰かの最初の気づきになるかもしれません。

⬜︎ 気になった投稿をシェアする
最初の一歩。自分が発信してみると、身のまわりに同じ関心を持つ人が見つかることも。

⬜︎ 気候変動専用のアカウントをつくる
「プライベートのアカウントで、これまでと違う発信をすることにハードルを感じる」という人は、専用アカウントをつくるという手も。発信を続けるうちに知識が深まり、同じ問題に取り組む仲間ともつながれます。

⬜︎ オリジナルの画像や文章を作って発信する
情報をまとめる過程で学びが深まり、それが誰かに届く、わくわくする情報共有です。現在は、Canva、Figmaといった無料でも使うことができるツールで、目を引く画像が簡単に作れます。

⬜︎ 明るいニュースの共有や発信
国連も、解決策や希望を伝えることが行動につながると勧めています。実際に起きているポジティブな変化を探して、シェアしてみましょう。

発信する前の3つのチェック

気候変動は、誤情報やデマが特に多いテーマです。国連も、誤解を招くコンテンツが「混乱を生み、行動の遅れや有害な行動につながる」として、発信者に情報源の確認を呼びかけています。発信する前に、以下の3つを確認しましょう。

チェックリスト

① 情報源は信頼できるか
数字や事実をシェアするときは、出どころを確かめることが大切。IPCC、UNEP、環境省などの公的機関や、新聞、通信社の報道、査読つきの論文などが確かな情報源です。出どころのわからない画像や「衝撃の事実」といった投稿は、AIがつくったものである場合も。シェアの前に一度立ち止まって、確かめよう。

② 出典を示しているか
自分の投稿にも、情報源へのリンクや出典名を明記すると、読んだ人が自分で確かめることができます。

③ 画像の著作権は共有しても問題がないものか
画像や図表を使うときは、著作権(クレジット)の情報をチェックして、利用条件を確認することが大切です。

「これは科学的な事実?」、「情報源はどこだろう」、ソースを確認する習慣が、あなたの発信を確かなものにします。

▶︎参考になるサイト:国連「気候変動の伝え方」ガイド

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「決める人」に伝える署名に参加する

SNSでの発信は、広く伝えるための手段。では、政府や大きな企業などの「決める力を持つ相手」に伝えるにはどのような方法があるでしょうか。最も手軽な方法のひとつとしてあげられるのが署名です。

署名活動

署名は「この問題の解決を真剣に望む人が、これだけの人数いる」という事実を、数字と名前で対象に知らせるコミュニケーションです。オンラインであれば1分もかかりません。

実際に、一人の高校生が始めた署名がきっかけとなって、神奈川県立高校の全135校が再エネ電力に切り替えたような例もあり、大きな効果を持っています。

賛同できる署名に参加してみる

例えば、グリーンピース・ジャパンでは、現在以下のような署名を集めています。賛同できると感じるものがあれば、ぜひ参加してみてください。オンラインでできるため、1分もかかりません。あなたの意思表示が、大きな変化へと繋がります。

オンライン署名

国際プラスチック条約ー地球のあらゆる場所がプラスチックであふれている現状を変えるため、プラスチック汚染を止めるための実効的な国際プラスチック条約の実現を求める。「もう待てない。地球を守る国際プラスチック条約を、今」

アマゾンの森を守るー限界を迎えているアマゾンの森林破壊を止めるため、破壊に加担する企業への規制と資金提供の停止、保護と回復のための先住民や地域住民による取り組みへの財政支援を求める。「守れるのは、いましかない」

STOP!深海採掘ー生物多様性の宝庫である深海が採掘によって大規模に掘り返されようとしています。開発企業が海底を掘り返す前に止めるために多くの人の賛同が必要です。「たくさんの見たこともないような生きものと、炭素の貯蔵庫を守ろう」

👉 署名をしたらSNSで報告してみましょう。署名後に表示される「シェアボタン」から、1クリックで投稿できます。あなたの投稿を見て署名する人が一人いれば、あなたの一筆は二筆になります。

新聞やテレビに投書する

SNSの発信は、届く範囲が自分とのつながりに左右されます。ふだん気候変動に関心のない人に効率的に届けるには、新聞やテレビ、ネットメディアへの投書という手段がおすすめです。

新聞

新聞の投書欄は、何万人もの読者の目に触れます。「ニュース記事は読まないけれど、投書欄には目を通す」という人も少なくありません。多くの媒体でネットからの投稿を受け付けており、文字数はおおむね500字程度。特別な資格は何もいりません。

新聞やテレビへの投書のコツ

✅ 話題になっているタイミングで送る
投書欄が求めるのは、いま話題になっているトピックについての意見。気候変動に関する報道や政府の発表があったら、それが狙い目です。地元紙なら、地元の話題に絡めると採用率が上がります。

✅ 主張には根拠を添える
「気候対策を強化すべき」などの主張だけでなく、「熱波による救急搬送が増えていると知った」など、事実やニュース、自分の体験を一つ入れることが大事です。

✅ やさしい言葉で書く
「IPCC」や「1.5度目標」といった専門性のある単語は、読者の多くにとって初めての言葉です。「世界中の科学者でつくる国連の組織」のように、ひと言の解説を添えると親切。

<注意> 同じ文章を複数の媒体に送るのは「二重投稿」となって、ルール違反です。採用されなくても、書くこと自体が自分の考えの整理になります。書いて出すほどチャンスも増えます。

仲間を見つけてみませんか

難しそうに感じる気候アクションですが、少し勇気を出して始めると、意外と多くの「できること」が見つかります。気候アクションは一人で終わらせないことがとても大切。また、誰かと一緒に取り組むことで、アクションはどんどん楽しくなります。

ゼロエミの仲間

グリーンピース・ジャパンが事務局をつとめるゼロエミッションを実現する会(以下、ゼロエミ)では一緒に気候アクションに挑戦する仲間を募集しています。

ゼロエミは、自分の住んでいる自治体からの脱炭素をめざす人々がお互い助け合うコミュニティです。会費などはありません。自分のペースで、挑戦してみたい活動を試してみることができます。

「まずはどんな会なのか、知りたい」という方は、ぜひホームページ、またはインスタグラムをのぞいてみてください。まずはFacebookグループでの情報交換だけ参加するのも大丈夫。参加を考える人は、はじめてゼロエミに参加する人向けのオンラインオリエンテーションに出てみよう!

寄付は最強のアクション!

一人ずつのアクションが、そのまま個別に終わってしまった場合、すでに地球規模となって加速を続ける気候変動に変化をもたらすことはできません。

気候変動を止めるためには温室効果ガスの排出量を大幅に削減する必要があり、それには政府の削減目標や企業の脱炭素方針などをより野心的な方向へと動かす必要があります。そのためにグリーンピースなどの環境団体は、決定を後押しする調査や提言、市民の声の可視化、メディアへの働きかけを行っています。

寄付はこうした活動の規模を大きくしたり、参加する人を増やしたりすることで、政策決定者やリーダーたちに「本気の気候変動対策」を求める声の大きさを知らしめます。

「寄付をする」ことがみんなのアクションをつなぎ、大きな力にまとめ、効果的に政策決定者に届けることを助けています。▶︎寄付が最強のアクションである理由【気候アクションガイド #00】